各種統計(1)気になる人口統計
2023/8/02 水曜日
こんにちは、埼玉県で独立自営の不動産鑑定士、矢口真実です。
不動産鑑定ではその過程で「一般的要因の分析」という項目があります。
この「一般的要因」とはマクロ的な観点から見た不動産の価格に影響を与える要因という話でして
「物価水準、金利、税制」など経済に関するものが中心ですが、一つ重要なファクターとして「人口の状態」があげられます。
今の日本(に限らず恐らく世界的な話かもしれませんが)では経済の二極化の影響で、人口が減少したから不動産の価格が必ずしも下がるという訳ではないですが、一般的な考え方としては人口が増えれば、その地域の不動産価格は上昇、減少すれば不動産価格は下落する方向へと作用するという話になります。
日本全体の人口動態統計は厚生労働省のページから確認できます。
このデータで巷で最近よく見聞きして気になるのが「超過死亡数」の話です。
以下は令和3年末のデータですが、令和3年中の1年間で亡くなられた方の数は1,452,289人で前年の1年間で亡くなられた1,384,544人より67,745人多くなっていると表示されています。この67,745人という数字はこの時点で戦後最大の増加ということです。

それが更に翌年令和4年末のデータを見ると、戦後最大を記録した昨年末と比して、1,582,033人の死亡数で+129,744人の増加と最高を更新しています。しかも相当な増加率ですよね。。。

ちなみに今年の状況は最新の発表は、5月末時点で18,907人の増加と増加率は前年程でないにしても
やはり増加傾向にはあります。月別比較したグラフを見ると何故か1月が突出しており、他の月は大体同じ位の推移です。
(右下のグラフで青線は昨年の月別死亡数、赤線は本年。5月までのデータ)


原因は諸説ある様子ですが、単に高齢化の影響ですとは言い切れない現象であった事は間違いない話かと思います。
今後もこの傾向が続くのかあるいは一過性のものにすぎなかったのか、注視してみたいと考えています。